確定申告で得するために知っておきたい!所得控除と税額控除の違いと種類

所得税の計算では、納税者の個別の事情や支出内容に応じて税額が軽減される「控除制度」が設けられています。控除には大きく分けて2つの種類があり、「所得控除」と「税額控除」が存在します。どちらも税負担を軽くする制度ですが、その仕組みと効果には違いがあります。この記事では、それぞれの控除の特徴と主な種類についてわかりやすく解説します。

所得控除とは?

所得税の計算にあたって、各納税者の個別的な事情を考慮するためのもので、それぞれの所得控除の要件に当てはまる場合には、各種所得の金額の合計額から所得控除の額の合計額を差し引き、その残りの金額に税率を乗じることで、所得税額を計算します。

主な所得控除には次のようなものがあります。

社会保険料控除 支払った公的年金の年金保険料、健康保険料等を控除することができます。
小規模企業共済等掛金控除 支払った小規模企業共済等の掛金を控除することができます。
生命保険料控除 生命保険料の支払額に応じて、一定額を控除することができます。
地震保険料控除 地震保険料の支払額に応じて、一定額を控除することができます。
寡婦・寡夫控除 寡婦・寡夫にあたるときで、一定の要件を満たすときは控除を受けることができます。
勤労学生控除 給与を得た学生で、一定の要件を満たすときは27万円の控除をうけることができます。
障害者控除 本人や扶養親族が一定の障害者である場合は、控除を受けることができます。
配偶者控除 配偶者がいて、一定の要件を満たすときに控除を受けることができます。
配偶者特別控除 配偶者がいて、一定の要件を満たすときに控除を受けることができます。
扶養控除 一定の扶養親族がいるときに控除をうけることができます。
基礎控除 すべての人が受けることができる控除です。控除額は本人の合計所得金額によって変わります。
雑損控除 災害等で損害を受けたときなどに控除を受けることができます。
医療費控除 本人や生計を一にする親族の年間の医療費が一定額を超えるときに控除をすけることができます。
寄付金控除 ふるさと納税をしたときや一定の寄付金を支払ったときに控除を受けることができます。

税額控除とは?

税額控除は、計算された税額から直接税額控除の金額を控除することができる制度です。
所得控除で軽減される税額は所得控除の額に税率を乗じた金額ですが、税額控除では控除の金額がそのまま軽減される税額となります。

主な税額控除には次のようなものがあります。

・配当控除
株式の配当などに対する二重課税を調整するための控除です。

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除
一定の条件を満たす住宅購入の際のローン残高に応じた控除です。
・政党等寄付金特別控除
・認定NPO法人等寄付金特別控除
・公益社団法人等寄付金特別控除
・住宅耐震改修特別控除
・住宅特定改修特別税額控除
・認定住宅新築等特別税額控除

控除を活用して、納めすぎを防ごう!

確定申告では、これらの控除を適切に申告することで、税負担を大きく減らすことができます。ただし、控除の種類によっては申告しなければ受けられないものもあるため注意が必要です。

日頃から領収書や支払い証明などを保管し、確定申告時に控除要件に該当するかどうかをチェックしておきましょう。

まとめ

所得控除と税額控除は、どちらも税負担を軽減する大切な制度です。自身の状況に応じて、どの控除が使えるかを確認し、適用漏れがないようにすることが、賢い節税につながります。

各種控除をうまく活用すれば、数万円以上の節税効果が見込めることもあります。毎年の確定申告を機に、見直してみてはいかがでしょうか。

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