所得税の還付金について解説!還付金はいつ戻る?

確定申告の基礎知識

確定申告をすることにより、所得税が還付されるケースがあります。この場合、還付金はどのようにして受け取るのでしょうか?また還付されるまでの期間はどの程度かかるのでしょうか?税理士がポイントを解説します。

 

確定申告で還付となるケース

確定申告をすることにより、所得税が還付されるケースがあります。

 

例えば、次のようなケースで所得税が還付されることになります。

・ふるさと納税、医療費控除、住宅ローン控除などを適用した結果、所得税が還付されるケース
・源泉徴収された税額が、確定納税額を上回るため、所得税が還付されるケース
・予定納税をした金額が、確定納税額を上回るため、所得税が還付されるケース など

 

確定申告により、所得税が還付される場合の申告のことを「還付申告」といいます。
この還付申告は、申告をする年分の翌年1月1日から5年間行うことができます。

 

確定申告の還付金の受け取り方法

還付金の受け取り方法には次の2つの方法があります。

①指定した金融機関口座への振込

確定申告書に還付金の受取口座を記入しておけば、その口座に還付金が振り込みされます。なお、利用できる口座は本人名義の口座に限られ、家族名義の口座などを利用することはできません。また、一部のインターネット専用銀行では還付金の受取ができないこともあるため、インターネット専用銀行を指定する場合は事前に確認するようにしましょう。

 

②ゆうちょ銀行各店舗又は郵便局に出向いて受け取る方法

確定申告書に受取を希望するゆうちょ銀行の店舗または郵便局を記入しておきます。後日送付されてくる国庫金送金通知書と身分証明書等を持参し、指定されたゆうちょ銀行の各店舗や郵便局窓口に受け取りにいきます。

 

 

確定申告の還付金はいつ戻る?還付されるまでの期間

還付金額や還付先口座を記載した確定申告書を提出した後、税務署が申告内容のチェックを行い、問題がなければ還付金が還付されます。

多くのケースで、還付金は申告後、2週間から1か月半程度で還付されますが、中には2か月以上かかることもあります。

 

このように還付されるまでの期間に幅があるのは、申告内容や税務署の体制にもよるからです。

というのも、確定申告をしたら自動的に還付されるのではなく、税務署が申告内容をチェックします。申告内容がそれほど複雑でなければ通常は比較的短い期間で還付されますし、申告内容が複雑であったり、内容に疑問がある場合は税務署のチェックに時間がかかります。

チェックが入った際に、資料の不足があったり、確認事項があった場合は、税務署から連絡が入り、その確認が終わるまでは還付が保留されます。早く還付を受けたいのであれば、税務署からの連絡に早く対応するようにしましょう。

また、2月、3月の所得税の確定申告の時期は大量の申告書が提出されるため、還付までに時間がかかることがあります。

 

振込を希望している場合は、税務署での処理が終わったら、「国税還付金振込通知書」が送付されてきます。この通知が届くタイミングと前後して、還付金が振込されます。

 

 

確定申告の還付金を早く受け取るにはどうすればいい?

確定申告期限である3月15日前後は、申告が集中するため、そのタイミングで申告をすると、税務署も業務が集中するため、どうしてもチェックに時間がかかることもあるでしょう。

還付申告は翌年の1月1日から行うことができます。還付金を早く受け取りたいなら、なるべく早く確定申告をするとよいでしょう。また、申告書を郵送するよりも、e-taxで申告をした方が還付金を早く受け取ることができます。

「申告後何日以内に還付しなければならない」というルールは税務署にはありません。税務署の状況にもよるため、基本的には待つしかありません。還付までに2か月以上かかることもあります。しかし、例えば3か月以上還付されないなど、通常よりも遅いときは税務署に電話で処理の状況を確認するとよいでしょう。

 

 

還付金には還付加算金が上乗せされる

確定申告をして還付金が還付されるまで、基本的には待つしかありません。

しかし、待つことにもいいことがあります。それは、還付金には還付加算金という利息のようなものが加算されるからです。

 

還付加算金は計算式は次のとおりです。

還付加算金(100円未満端数切捨て)=還付すべき金額(10,000円未満切捨て)×7.3%または特例基準割合※×還付されるまでの日数

※2022年の還付加算金特例基準割合は0.9%

 

ただし、計算された額が1,000円未満となる場合は切り捨てられ、還付加算金を受け取ることはできません。

また、受け取った還付加算金は、受け取った年の確定申告をする際に、所得(雑所得)に含めなければなりませんので、注意してください。

 

 

まとめ

確定申告の還付金について解説しました。還付となる場合は忘れずに申告するようにしましょう。還付を受けると還付加算金をもらうことができますが、受け取った年の所得に含める必要がありますので注意してください。

この記事を書いた人
松本 佳之

税理士・公認会計士・行政書士・宅地建物取引士
みんなの会計事務所(大阪市)代表。同所の確定申告代行サービスは、毎年300名以上のお客様が利用。低価格・丁寧・スピーディーな仕事が好評を呼んでいる。不動産業、ベンチャー支援、相続・相続対策にも強い。

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