FXで利益がでたとき、損失がでたときの確定申告

株・投信・FX・仮想通貨の確定申告

FX(外国為替証拠金取引)とは、証拠金(保証金)を担保に、その証拠金の何倍から何十倍の取引単位で外国為替の売買を行う取引のことをいいます。このFXで利益を得たときも確定申告をして、税金を納めなければなりません。

FX取引で生じた損益に対する税金

FX取引で生じた損益の課税関係は次のようになります。なお、FXには店頭取引と取引所取引の2つがありますが、いずれの取引の場合でも課税関係は同じです。

FXで利益がでたとき

FXでの所得は「先物取引に係る雑所得等」となり、他の所得と区分して、所得税15%※、地方税5%の税率で課税(申告分離課税)されます。

「先物取引に係る雑所得等」とは、一定の先物取引による事業所得の金額、譲渡所得の金額及び雑所得の金額の合計額をいいます。
※平成49年まではこの他に復興特別所得税(所得税の2.1%)がかかります。

 

FXで損失がでたとき

他の「先物取引に係る雑所得等」と損益通算

商品先物取引や日経平均先物取引といった他の「先物取引に係る雑所得等」の金額と損益通算をすることができます。ただし、「先物取引に係る雑所得等」以外の所得の金額との損益通算はできません。

たとえば、サラリーマン(給与所得者の方)がFXで損失がでたとしても、確定申告することにより、給与所得に係る所得税を減らす、といったことはできません。

損益通算できなかったときは3年間損失の繰越が可能

他の「先物取引に係る雑所得等」と損益通算をしても、まだ損失が残るときは、一定の要件の下に、損益通算できなかった損失の額を持越して、翌年以後3年分の各年分の「先物取引に係る雑所得等」の金額から控除することができます(先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除)。

この繰越控除の適用を受けるためには、損失が出た年に一定の書類を添付して確定申告をした上で、その後連続して確定申告書を提出しておかなければなりません。繰越控除を使わなかった年も確定申告をしておかなければならないので注意してください。

 

FXの必要経費となるもの

FXに係る雑所得を計算するにあたっては、FXの利益(差金決済による差益)から必要経費を差し引くことができます。
例えば、FXでの取引手数料の他に、パソコン代、セミナーの参加費・交通費、書籍代・新聞代、通信費、筆記用具などについて必要経費にできる可能性があります。なお、何でも必要経費になるのではなく、あくまで「FXで利益を得るために要した支出」に限られます。

 

給与所得者でFXでの所得が20万円以下の場合は確定申告不要!

FX取引には源泉徴収制度がないため、FX取引で利益が出たときには原則として確定申告をする必要があります。
ただし、年末調整を受けたサラリーマン(給与所得者)の方で、FX取引による利益が年間20万円以下で他に所得がない場合には確定申告不要制度により確定申告をする必要はありません。

 

まとめ

FX取引で利益や損失が出たときの課税関係について解説しました。FX取引による損益は、取引業者から税務署に「支払調書」が提出され、税務署も掴んでいる可能性があります。利益が出たときは忘れずに確定申告をするようにしましょう。

 

 

この記事を書いた人
松本 佳之

税理士・公認会計士・行政書士・宅地建物取引士
みんなの会計事務所(大阪市)代表。同所の確定申告代行サービスは、毎年300名以上のお客様が利用。低価格・丁寧・スピーディーな仕事が好評を呼んでいる。不動産業、ベンチャー支援、相続・相続対策にも強い。

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