納税管理人とは?選任や解任はどうしたらいい?

確定申告の基礎知識

国外に住んでいる人(非居住者)でも、日本で確定申告や納税が必要となることがあります。しかし、日本に住所がないと税務署から連絡することもできません。そんなときは「納税管理人」を選任する必要があります。

 

納税管理人とは?

 

納税管理人とは、非居住者に代わって、確定申告をしたり税金の納付をするなど、非居住者の納税義務を果たす者をいいます。

納税管理人の事務範囲については、国税通則法基本通達第117条で、次のように定められています。

(1) 国税に関する法令に基づく申告、申請、請求、届出その他書類の作成ならびに提出
(2) 税務署長等(その所属の職員を含む。)が発する書類の受領
(3) 国税の納付および還付金等の受領

 

 

 

納税管理人が必要となるとき

例えば、会社員・サラリーマン(給与所得者)の方が、1年以上の予定で海外転勤となり、出国すると、通常は、所得税法上の非居住者となります。

所属税法上の非居住者であっても、日本国内で一定額以上の不動産所得がある場合など、日本国内で発生した一定の所得について、日本の所得税が引き続き課税されることとなります。そのため、その場合は、確定申告をする必要があります。

しかし、非居住者の場合は、税務署からの書類を受領することも難しい状況でから、非居住者に代わって税務署等からの書類の受領、確定申告、税金の納付や還付金の受領等の納税に関する義務を果たすための納税管理人を定める必要があります。

 

<納税管理人の選任が必要となるケース>

・日本国内の不動産から賃貸収入・売却収入がある
・海外に居住しているが相続税や贈与税の申告・納税が必要
・住民税や固定資産税の申告・納税が必要 など

 

なお、所得税の場合は、納税管理人を選任するかどうかによって申告期限が異なります。

ケース 申告期限
出国までに納税管理人を選任した場合 所得が生じた年の翌年2月16日から3月15日まで
出国までに納税管理人を選任しなかった場合 出国までの所得・・・出国の日まで
出国から12月31日までの所得・・・翌年2月16日から3月15日まで

 

また、所得税以外でも、相続税や贈与税、住民税、固定資産税などに関して、納税管理人が必要となることがあります。

 

 

納税管理人に資格要件はなく、誰でもなれる。

納税管理人に資格要件はなく、誰でもなることができます。個人はもちろん、法人も納税管理人になることができますし、税理士が納税管理人の依頼を受けることもあります。

実際には、日本にいる親族や日本国内にある勤務先の会社、確定申告を依頼する税理士などを納税管理人として選任するケースが多いと思われます。

なお、確定申告書の作成や税務代理は税理士にしかできませんから、確定申告の作成も任せたいときは、税理士を選任しておくとよいでしょう。

 

 

納税管理人を選任するときの手続

納税管理人を選任するときは、その非居住者の納税地を所轄する税務署長に「所得税の納税管理人の届出書」を提出します。この届出書の提出をすると、それ以後に税務署が発送する書類は、納税管理人あてに送付されます。ただし、確定申告書は非居住者の納税地を所轄する税務署長に対して提出します。

複数の税目で納税管理人の選任が必要となるときは、税目ごとに届出書を提出する必要があります。

また、納税管理人を解任するときは、「所得税・消費税の納税管理人の解任届出書」を、税務署に提出します。

なお、住民税や固定資産税といった地方税に関する納税管理人の選任届は、地方自治体に対して提出します。

 

 

このページのまとめ

1.納税管理人とは、非居住者に代わって確定申告書の提出や税金の納付等、非居住者の納税義務を果たす者のことを言う。

 

2.日本での申告義務がある非居住者は納税管理人を定めなければならない。

 

この記事を書いた人
松本 佳之

税理士・公認会計士・行政書士
みんなの会計事務所代表。「税理士のノウハウを会社成長の力に」をモットーに、大阪で起業支援、中小・ベンチャー企業の支援や税務の他、個人確定申告、相続・相続対策等の税務業務を手掛ける。

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