私物(生活用動産)をフリマアプリやネットオークションで売却したときに確定申告は必要?

譲渡所得の確定申告

個人の方が資産を譲渡した際に生じる所得は、原則として譲渡所得に該当し、所得税の課税対象となります。では、私物をフリマアプリやインターネットオークション、リサイクルショップなどで売却したようなときも同じ様に所得税がかかるのでしょうか?

 

私物(生活用品)を売却しても原則として、所得税はかからない

個人の方が資産を譲渡した際に生じる所得は、原則として、譲渡所得に該当し、所得税の課税対象となります。では、私物をフリマアプリ(メルカリなど)やインターネットオークション、リサイクルショップなどで売却したようなときも同じ様に所得税がかかり、確定申告をする必要があるのでしょうか?

 

所得税法第9条では、次の所得については非課税とされています。

自己又はその配偶者その他の親族が生活の用に供する家具、じゆう器、衣服その他の資産で政令で定めるものの譲渡による所得」

 

つまり、ご自身や家族などが生活で使っている資産(生活用動産)をメルカリなどのフリマアプリやインターネットオークション、リサイクルショップなどで売却して利益がでたとしても、原則として所得税がかかることはありません。

 

ただし、生活で使っている資産であれば何でも所得税がかからないという訳ではありません。譲渡をしたときに所得税が非課税となる生活用動産は次のものに限定されています。

家具、じゅう器、通勤用の自動車、衣服などの生活に通常必要な動産

なお、貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個又は1組の価額が30万円を超えるものの譲渡による所得は所得税の課税対象となります。

 

 

自動車は「通勤用の自動車」に限定されている点に注意!

自動車は「通勤用の自動車」に限定されている点に注意が必要です。

「レジャー目的で保有している自動車」や「個人事業主が事業用で用いる自動車」などは生活用動産に該当せず、売却して利益がでたときは、所得税の課税対象となる可能性があります。

所得税の課税対象となる場合は「譲渡所得」に該当します。
この譲渡所得には、50万円の特別控除があります。つまり、売却して得た利益(他に土地、建物及び株式等以外の資産を譲渡したときの譲渡所得となるものを含めて)が50万円以下であれば、譲渡所得はゼロとなり、所得税はかかりません。

 

 

営利目的で行った場合には所得税がかかる

このように生活用動産を売却したとき、原則として所得税はかからないこととされています。しかし、例えば、他で安く購入して、フリマアプリ(メルカリなど)やインターネットオークション、リサイクルショップなどで転売することを繰り返し行って利益を得ている場合は、それが生活用動産であっても所得税がかかることとなります。

この場合は、譲渡所得または雑所得(事業として行っている場合は事業所得)となり、所得税が生じる場合は確定申告が必要となります。

 

どのような場合に営利目的になる?

実際に生活で使っていたものを、複数回、フリマアプリやインターネットオークション、リサイクルショップなどを利用して売却したとしても、所得税はかかりません。

一方で、利益を得ることを目的として転売をしているような場合は、その頻度が少なくても所得税の課税対象となる可能性があります。「転売を目的としているかどうか」が一つの判断の目安となるでしょう。

 

 

このページのまとめ

1.私物(生活用品)を売却しても原則として所得税はかからない。

 

2.所得税がかからない自動車は「通勤用の自動車」に限定されている。

 

3.売却しているものが生活用品であっても、営利目的で売却していれば所得税がかかる。

 

この記事を書いた人
松本 佳之

税理士・公認会計士・行政書士・宅地建物取引士
みんなの会計事務所(大阪市)代表。同所の確定申告代行サービスは、毎年300名以上のお客様が利用。低価格・丁寧・スピーディーな仕事が好評を呼んでいる。不動産業、ベンチャー支援、相続・相続対策にも強い。

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