Uber Eats(ウーバーイーツ)の配達パートナープログラムを使って、配達パートナー(配達員)として収入を得ている人も増えています。この収入がある場合は原則として確定申告をしなければなりません。
ウーバーイーツの配達員の収入は原則として確定申告が必要
ウーバーイーツの配達パートナープログラムによる収入は「給与」ではなく「報酬」です。
給与の場合は支払者側が源泉徴収をし、年末調整で課税関係が完結することがありますが、報酬の場合は原則として、自身で確定申告をする必要があります。
確定申告の期限は、収入を得た年の翌年の2月1日から3月15日までとなっています。遅れるとペナルティがかかる可能性があるので忘れないようにしましょう。
ただし、会社員の方が副業として配達員をする場合で、給与以外の所得が20万円以下のときは、確定申告をしなくてもよいこととされています。所得というの売上とは異なります。売上から必要経費やその所得の種類で控除できるものなどを差し引いたものが所得となります。
ウーバーイーツの配達員の所得は「雑所得」か「事業所得」
ウーバーイーツの所得が「雑所得」となるか「事業所得」となるかは、主にウーバーイーツを「本業としているかどうか」で判断するとよいでしょう。
会社員の方など本業が他にあり副業としてウーバーイーツをしている場合は「雑所得」となります。一方、本業としてウーバーイーツをしている場合は「事業所得」となります。
「事業所得」で申告する場合は、青色申告をして、青色申告の特典を受けるようにしましょう。
ウーバーイーツの確定申告 経費になるもの・ならないもの
ウーバーイーツの確定申告で経費になるものは、原則として「ウーバーイーツの配達の仕事ため必要なもの」と考えるとよいでしょう。
<経費になるもの>
ウーバーイーツの配達の仕事のためにかかった次のような費用は経費に計上することができます。
・携帯電話の購入代や通信費
・自転車・バイク代
・自転車・バイクの修理代
・交勤務する場所への移動時に要した交通費
・駐輪場代
・自転車保険代
自転車やバイクの購入費用が10万円超となる場合は、原則として、購入時に全額を費用として計上することはできず、減価償却をしなければなりません。ただし、青色申告をする場合は、年間300万円を上限として、30万円未満の資産を購入時に全額を費用計上する特例があります。
また、私用でも使っている場合は「家事按分」をしなければなりません。
例えば、携帯電話をウーバーイーツの配達パートナーの仕事でも使うし、プライベートでも使っている場合は、全額を経費にすることはできません。仕事の部分とプライベートの部分を按分し、仕事の部分のみを経費に計上することができます。
<経費にならないもの>
次のようなものは経費にはなりません。
自宅の家賃や水道光熱費
自宅でも何らかの作業をしている場合は、家事按分をして家賃や水道光熱費などの一部を必要経費とすることができる可能性はありますが、Uber EATSの主な業務はやはり自宅でするものではありませんから、大半は必要経費とはならないものと考えられます。
衣服代
衣服代は、原則として、必要経費としては認められません。ウーバーイーツの配達員の制服というものはなく、プライベートでも利用できる衣服を用いることが多いためです。ただし、プライベートでは利用しない(できない)専用の衣服を購入した場合には、衣服代を費用計上することも考えられます。
交通違反の反則金
交通違反の反則金は、税法で必要経費にならないものとして決められています。そのため、たとえ業務中に交通違反をして反則金を取られても、必要経費にはなりません。
ウーバーイーツの確定申告の注意点
その他の所得も合算する
確定申告をする場合には、ウーバーイーツの所得だけを申告するのではなく、年末調整済みの給与などその他の所得も合算して行います。他の所得を漏らさないようにしましょう。
なお、所得の種類によって、計算方法が異なりますから、わからないときは税理士に相談することも検討するとよいでしょう。
必要経費に計上するには領収書などが必要
必要経費に計上する場合は、領収書などを残しておかなければなりません。領収書などは税務署に提出する必要はありませんが、税務調査などで税務署から照会を求められたときに提示しなければなりません。ただし、交通費など領収書が発行されないものや紛失したときなどは、帳簿にきちんと内容がわかるように記録しておけば、領収書などがなくても経費に計上して問題ありません。
控除などは漏れないように
支払った社会保険料、ふるさと納税や一定金額以上使った医療費などは控除することにより税金を減らすことができます。控除を漏らさないようにしましょう。
ウーバーイーツの副業を勤務先にばれないようにするには!?
副業が勤務先にばれる原因の一つに、住民税の特別徴収税額の通知が会社に届くこと、が挙げられます。
住民税の金額は前年の確定申告の内容により決まります。会社の給与から計算される住民税の金額と地方自治体から届いた住民税の金額に差があると、副業しているのではないか、と疑われる可能性があるのです。
しかし、確定申告書に、給与所得以外の住民税の支払方法を選択する欄があります。ここで給与所得以外の住民税の支払方法について「自身で支払う」を選択しておくと、勤務先には給与のみで計算された住民税の特別徴収税額の通知が届くことになります。
これで副業が勤務先にばれる可能性を減らすことができます。
まとめ
Uber Eats(ウーバーイーツ)の配達パートナープログラムを使って、配達パートナー(配達員)として収入を得ている人の確定申告について解説しました。アルバイトだと確定申告の必要が無い場合がありますが、ウーバーイーツは個人事業主扱いなので原則として確定申告が必要になります。ポイントを理解して、正しく申告するようにしましょう。